バイオマス

日本初!? 北海道の針葉樹林をエネルギーに活用

地場産業の林業の力が1つになって実現する計画です。

「もともと町で木炭を作っていましたし、8社9工場の木材加工の工場もありました。それらの会社に呼びかけて、未利用だった集成材端材(=木くず)をエネルギーに利用しようということになり、林業の活用化になりそうです」。 そして平成23年に3.11が起こったのを機に、新たなエネルギー導入として森林バイオマス熱電供給によるエネルギーの自給を目指したという。

北海道の原生林は、本州のヒノキやスギと違い、トドマツ・カラマツが多く、森林資源として豊富に存在している。下川町の森林もFSCの認証を受けて、環境に配慮した木材を作ることに適している。全国初となる、熱電供給は、モデルになるようなケースが日本にはなかった。そこで海外や他県などの視察をするなど、スタッフが勉強したという。山本さんをはじめ、スタッフの努力もあって、森林バイオマスによるこれまでの熱利用によってによって、平成26年度で1900万円の熱量コスト削減に成功。削減分を積立金として、将来の負担軽減や子育て支援を充実することに充てた。山本さんは、この成功は自分1人の努力ではないということを強調する。

「町のトップリーダーである町長のもと、みんなが協力したから実現できたのだと思います。それまで従事していたエネルギー関連の方たちから理解を得て、協力を得られたからことも、大きかったと思います」。

平成21年に設立した、下川エネルギー供給組合によって木質原料資源を収集・運搬し、木材の原料を受け入れ自然乾燥させてできた木質チップ(写真)を熱利用供給して、バイオマスボイラーを炊くという行程ができあがった。その結果得られた約1700万円の収益は、協同組合と町で折半している。今後は、雇用の場をさらに増やし、町に林業やエネルギー分野で学んだ若い人たちが戻ってくれば、理想のまちづくりに近づく。


文/金田千里

取材協力・総務省/北海道下川町役場・青森県弘前市役所

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